梅宮
僕は、古小路さんの人物画が大好きです。ポストカードなどには可愛らしい絵を多く描いていますが、古小路さんが自分の作品として取り組んだときの、動きのある絵がいいですね。
古小路
かつて器械体操をやっていたからかもしれませんね。動物であれ、人間であれ、動いている瞬間のポーズの美しさ、動きや造形に興味があるんです。だから、モジリアーニのように同じポーズの絵を何枚でも描いてしまう。その点、梅宮さんはいろんな色を使いますよね。
梅宮
そうですね、色や光を意識した作品が多いですね。サッカーや競馬など動きのある絵も好きですが、動きの瞬間を捉えるのは難しい。古小路さんは若い頃体操をやっていたから、その捉え方がうまいのかな。
古小路
子供の頃は、単純にカッコいいと思っていただけですけど(笑)。
梅宮
僕も体操を描こうと思ったのだけど、あまりに難しくて。カタチだけなら真似できるけど、周囲の空気をいかに描くかが重要だと思うので、それが難しい。
古小路
確かに、描いているうちに「なんか変だな」と思うことはあります。例えば、重みが足りないとか。人は立っているだけでもどこかに体重がかかっているわけで、その重心が表現できないと違和感があるんです。そうしたことは、本を読んだりして学んできました。
梅宮
絵を描く以外でも、古小路さんの生活はとても参考になります。今は家族と一緒に生活していますが、いずれは僕も一人で暮らしていこうと思っていますから。
古小路
東京での一人暮らしも10年を越えましたからね。地元の友達から声がかかればバーベキュー・パーティにも行くし、フリーマーケットにも参加します。ビアガーデンやカラオケも好きですよ。その一方で、僕らが自立して生活していくためには環境づくりが重要ですから、自らケア・サービスの会社を立ち上げました。
梅宮
本当に多彩で、いろんな面で尊敬しています。アトリエに閉じこもっているタイプではないので、それが絵にも表れるのでしょうね。
古小路
梅宮さんがどんどん追いかけてくるから、僕も安穏とはしていられませんよ(笑)。でも、追いかけてくれる人がいるのは嬉しいことです。地元の友達は大切だけど、絵の話はできないし。幅広くいろんな仲間がいるのは幸せなことだし、今はとても充実しています。