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西岡 良介  広島県  口で描く

1954年7月広島県生まれ。

高校2年生の夏、器械体操クラブの練習で床運動の演技に失敗、首の骨を折った。第5・第6頚椎を損傷。両足は完全にマヒしており、両手両腕の機能もほとんど失い、車椅子生活となった。

2年後、重度障がい者訓練センターに入所。リハビリテーションの過程で絵を描き始めた。

独学で技術を習得し、絵を描くことが自立への大きな支えとなっていった。

1982年に「第11回現代洋画精鋭選抜展」に出展など、多くの展覧会に参加している。

色鉛筆で描く小さな動物たちの世界は、広く好評を博している。


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絵について

ほとんど毎日のように絵を描いています。

絵を描くことは喜びであり、また苦しみでもあります。

 

絵を描いていると、時に、自分の心に浮かんだ絵のイメージよりもはるかにうまく表現できる事があります。

そんな時には大きな幸福感に包まれます。

いくら描いてもうまく色が出ない、きれいな線が引けない、そんな時には情けない思いで自己嫌悪に陥ります。

毎日が喜びと苦しみの繰り返しです。

 

以前は芸術を究めようという途方もない大それた夢もありましたが、それも長年の苦闘のうちにいつのまにか消え去りました。

それでも誰かに、「この絵、おもしろいよね」とか、「なんかほっとするね」とか言われたら事の他うれしいものです。

この世界には、美しいものが満ち満ちています。それを表現することは簡単ではありませんが、美しいものを感じる心、先ずはそこから始まるのだと思います。

長年描いてきた絵の事も、また世の中の事、社会の出来事、身の回りの事、自分自身の事、その他いくら考えても分からない事だらけです。きっと分からないままで終わるのでしょう。

身体の機能や体力の衰えにより、それほど長い年月にわたって絵を描いていられるとは思えませんが、状況の許す限り、私なりの感性、私なりの表現で絵を楽しみます。

目にしていただける皆さんにも楽しんでいただければ幸いです。

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