一枚の絵
頸椎を骨折、四肢マヒで寝たきりの闘病生活。いつしか現実を逃避し、夢想の世界に遊び、過去を悔む人生は、どん底をさ迷っていた。そんな春のある日、いつも見慣れた窓際の景色に驚いた。いままで見過ごしていた日常の中に、「自然のすばらしい色の世界」を発見した。その日は不思議に心が躍り、いつの日か、この心境を絵として表現したいと思った。
その後、転院した神奈川リハビリテーションセンターで、口と足で描く芸術家協会と、同会員の「一枚の絵」と出会う。それは将来を模索する一青年の、希望の道標になった。
私にとって絵画は、自己表現の手段であり、目的のライフワークである。また社会へのメッセージでもある。その意味で1984年から、地域の障がい者と毎年、グループ展を開催している。願わくは自分の原点である「一枚の絵」との出会いを、今度は私が「あなた」に届けたいと思う。
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